国を揺るがす議論に発展しているBTSの兵役を巡る問題

BTS

そもそも韓国の兵役って?

韓国を代表するアイドルとなったBTSは、世界で人気を集め、日本でも話題沸騰中です。
そんな彼らを巡って、兵役に行くかどうかが韓国で議論されています。
日本には兵役制度がないので、兵役ってそもそも何と思われるかもしれません。
韓国の兵役は、原則として18歳~29歳の男性、全員に義務付けられているものです。
対象年齢の間に必ず兵役を受けなくてはならず、入隊時期は自分で選べます。
陸軍や海軍、空軍に配属され、部隊によって18~23ヶ月の間、トレーニングを受けます。

BTSと兵役の関係性

BTSのメンバーは7人いますが、2021年12月時点で、メンバーの年齢は24歳から29歳です。
まだ、誰も兵役には行っていません。
特に最年長メンバーのジンは、兵役対象の上限年齢となり、行くべき時期が迫られているので、入隊するのかどうかが騒がれているのです。
この点、韓国ではアイドルなどのタレントが兵役に入って、終えて帰ってくると、かつての人気や勢いを失うとされています。
確かに、1年から2年もの間活動ができないわけですから、その間に新たなアイドルがブレイクしたり、ファンが待ちきれずに離れていったりと、勢いがなくなるのも当然のことかもしれません。

BTSの兵役がなぜ問題になるのか

K-POPアイドルはこれまでも日本や世界で人気を集めてきましたが、BTSほどの人気を集めたグループはありません。
2020年に米ビルボード100で1位となった時の経済効果は、1兆7,000億ウォン(約1,660億円)とも言われています。
飛ぶ鳥を落とす勢いのBTSなのに、今、最年長のジンが抜け、その後も現在28歳のシュガが入隊するとなれば、BTSとして成立しなくなるでしょう。
となれば、韓国へもたらされると期待される経済効果が大きく揺らぎます。
そこで、韓国政府はBTSの兵役を特別に免除すべきではと、国民を巻き込んでの議論が過熱しているのです。

BTSの見解

BTSのメンバーは兵役について、どう思っているかといえば、とても真摯な態度で、好感が持てます。
最初に上限年齢に達するジンは、「大韓民国の青年として兵役は当然」と言い、「国からの招集があればいつでも応じる。」と話し、ほかのメンバーもみんな同じ気持ちだとインタビューで答えていました。

韓国政府の動き

韓国の兵役は例外的に免除される規定も設けられています。
スポーツ選手なら、オリンピックで3位以上かアジア大会で1位を獲得すること、芸術分野でなら国内外のコンクールの入賞するなどの条件を満たすと、免除が受けられます。
ですが、芸術分野の対象には歌手や俳優は含まれていないのです。
そこで、韓国の国会議員からは、国の利益のために、BTSの兵役免除を議論すべきとして、兵役法の改正案が出されました。
これは、BTS法案とも呼ばれるほど議論が過熱していますが、いまだはっきりとした判断が出されていません。
ジンは2021年12月4日に29歳になりましたが、この1年の間にどのような動きとなるのか注目です。

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